「ゾンビリミット」の作品詳細と、簡単なレビュー。
この作品は「PG12指定」作品です。
ゾンビウィルスに侵されたゾンビウィルスキャリアが、人からゾンビになっていく苦悩。そして最悪の事態に陥っても、ゾンビ化する恋人を何とか助けようと奔走する主人公……。
あなたが当事者ならどう動く?
作品詳細
原 題:THE RETURNED
監 督:マヌエル・カルバージョ
キャスト:エミリー・ハンプシャー/クリス・ホールデン=リード/ショーン・ドイル/クローディア・バソルス/バリー・フラットマン/メリーナ・マシューズ/ポーリーノ・ヌネス
公開日:2014年10月26日
上映時間:98分
ストーリー
ゾンビウィルスが蔓延する世界。
ゾンビウィルス感染者「リターンド」は、主人公・ケイトの働く病院で治療やサポートを受ける生活を送っていました。
病院の外はゾンビウィルスキャリアのリターンド保護に反対する人々が常にデモを行っており、街ではリターンドを恐れた人々によって襲撃する事件まで起きているような混沌とした世界。
ウィルスキャリアになった恋人を守るため…
ケイトの彼氏アレックスは、ゾンビに噛まれたことでリターンドになったものの、ケイト以外には隠して生活をしていました。
アレックスのゾンビ化を食い止めるために、ケイトは薬局の看護師イヴを買収することで、定期的にゾンビウィルスのワクチンを入手。万が一の時に備え自宅の冷蔵庫で大量に保管していました。
しかしワクチンの開発量が追い付かなくなってしまい、ワクチンが入手困難な状況に陥ってしまいます。
ワクチンの在庫がつき、アレックスと友人宅に身を寄せるが……
リターンドは毎日ワクチンを摂取しなければ、ゾンビ化が進んでしまいます。
ゾンビ化前に収容所に行く決まりを破っているため、アレックスとケイトは自宅にあったワクチンを持って友人の持つ別荘で身を隠しますが、友人夫妻に騙されワクチンを持ち逃げされてしまい……。
予告動画
感 想
この映画では悪魔とか魔術的なものではなく、バイオハザードのようにウィルスに感染することでゾンビになります。
既にゾンビウィルスの活動を抑制するワクチンが開発されている点が、他のゾンビ映画とは違うかな。
リターンドへの世間の反応やワクチンがなくなる恐怖、人間関係など様々な問題点が複雑に絡み合っています。
しかし一個人にのみ焦点を当てているせいかでパニックホラー感が薄いかなぁ……。
政府が隔離施設作ってるのはは、発病すれば誰だろうが見境なく襲って感染者が増えるからこの手のストーリーではありがちな設定。
でも自分がリターンドの立場で考えてみると、一度収容された後人として扱われないことを考れば、人としての意識があるうちは何としてでも逃げたいと思っちゃいますよね。
ゾンビが出てくるシーンはほとんどない!
反対派の襲撃や、ワクチンについてはニュースで情報はでるものの、実際に反対派が出てくるのは病院周辺のデモと病院襲撃シーンくらい。
ゾンビ化した人も出てはくるけど、冒頭と後半少しでほとんど出てきません。
ゾンビが、というよりリターンドになったアレックスが中心なストーリー展開。
ストーリーとしては面白いんだけど……普通にゾンビと戦うのをイメージしていたので、ストーリー知らないで観ると期待外れ感が強くなるかもしれないです。
リターンドも感染していない人も、お互いを恐怖の対象にしているから当然自分の身を守ろうとするし、自分の大切な人を守ろうとする。
ごく当たり前のことですが……極限状態になった人間の心理がよく描かれているのではないでしょうか。
やるせない気持ちになる……
親友に裏切られたアレックス……。
個人的には、視聴後にやるせない気持ちになった作品。
続編でその後のケイトと裏切った友人夫妻のストーリーがあるとか、作品中でこのやるせない気持ちをすっきりっさせるシーンがあればまた違ったのかも。
ゾンビ映画特有の食事シーン・グロシーンがほとんどないので、ホラーやスプラッタが苦手な人でも観ることのできる映画です。