「ウォーム・ボディーズ」の作品詳細と、簡単なレビュー。
血しぶき飛ぶゾンビ映画だと思ったら大間違い!
まさかのゾンビ青年が人間の少女に恋をするという、ラブコメ作品です。
作品詳細
原 題:Warm Bodies
監 督:ジョナサン・レヴィン
原 作:ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語(小説/アイザック・マリオン)
キャスト:ニコラス・ホルト/テリーサ・パーマー/ジョン・マルコヴィッチ/デイヴ・フランコ/アナリー・ティプトン/ロブ・コードリーほか
公開日:2013年9月21日
上映時間:98分
ストーリー
人間の肉を主食にしているゾンビ。そしてそのゾンビの最終形態であるガイコツが世界に蔓延している世界。かろうじて生き残っていた人々は、ゾンビやガイコツの侵入を防ぐ高い壁のある砦の中で暮らしている、そんな世紀末のお話。
砦の物資不足解消のために、外部に探索にでるヒロインたち
医薬品など砦内にある物資が不足していしまい、砦の指導者的存在の父親を持つジュリーは、恋人のペリーと仲間たちと共に砦の外の街に物資を探しに行きます。しかし砦の外は無法地帯で、いつゾンビやガイコツが襲ってくるかわからない状態。
その頃、美形ゾンビ青年のRは仲間とお腹がすいたから食事に行こうと、ねぐらとしている廃空港から街へと移動を開始していました。
Rたちの襲撃に次々と犠牲になっていくジュリーの仲間たちだったが…
ジュリー達はとある建物で医薬品を発見し、持ち帰るべく持ってきていた鞄に必要なものを詰めていました。しかしそこに運悪くRたちゾンビ集団が現れ、ペリーや仲間たちが次々とやられていきます。
このときRはジュリーを見て恋心を抱き、なぜかジュリーを助けるべく住処の廃航空機へと連れ去ってしまうのでした。ジュリーが他のゾンビたちに狙われないよう配慮したり、ジュリーが落ち着くようにとレコードをかけたりするRの行動にジュリーは心をひらいてゆき……。
予告動画
感 想
今までのゾンビ映画から考えるとちょっと異色の、「ゾンビと生きている人間の恋愛物語」。
ぐっちゃぐちゃのホラーが好きという人や、ゾンビ映画マニアにはちょっと物足りなさがあるかもしれないけど、ホラー映画やゾンビ映画が苦手な女性でも観ることのできる作品です。
ウォーム・ボディーズは原作ありの映画
この作品、実は原作小説が存在していて、日本では2012年に小学館から発売されているんです。筆者はアイザック・マリオン、小説のタイトルは「ウォーム・ボディーズ ゾンビRの物語」でシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をベースに書かれている作品です。
原作を読んでこの作品との違いを比べてみるのも面白いんじゃないでしょうか。
ゾンビがとても綺麗な作品
ゾンビっていうと、顔や手足の肉が崩れ落ちていて、意思の疎通ができないというイメージが一般的だと思うんだけど、この映画のゾンビはかなり綺麗。
人間が襲われるシーンがあるにはあるけど、スプラッタシーンが殆どないから怖さがあまり感じられないです。「ゾンビ映画」ではなく「恋愛映画」だからこれくらいがちょうどいいのかも。
前半は普通のゾンビみたくのろのろ動いているけど、Rは最初から心の中で普通の人のように色々つぶやいてるんであまり怖くないですね。
普段は遅いが……
仲間との意思の疎通の説明には笑わせてもらいました。ただやっぱり本能的なものがあるせいか、人間を襲うときはものすごい瞬発力で襲います。
ジュリーたちの襲撃シーンでRがペリーを食べるときに、ペリーの腕時計をチラ見して「いい時計してる」みたいなことを心の中で呟いて、結局その時計を持ち帰ってしまうとか。くすっとくる笑えるシーンが盛り込まれています。
しかし後半、ツッコミ入れたくなるシーンがあったんですが……辻褄合わないで終わるのかと思ったら終盤で解決してました。ただ納得いくかどうかは観る人次第ですね。
しかし最後まで観ても謎だったのが、Rがジュリーを見て恋に落ちたのは、ペリーの脳のせいで好きになったのか、関係なしに好きになったのか。答えはいまだに出ていません。
結局ゾンビ化した原因はわからずじまい
肝心の人間がゾンビになった理由については、全くわかりません(苦笑)
一度死んでゾンビとなった人が、進化後どうして普通に人と一緒に過ごせるようになったのかという詳しい理由もわかりません。しかしRが人間に戻った途端に、態度を翻すお父さんもどうなんだ……。
まったりとしたペースで静かに進むストーリ、ハッピーエンドな展開はゾンビ映画が苦手な人でも楽しめると思います。