マギー

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「マギー」の作品詳細と、簡単なレビュー。

あのシュワちゃんが戦わない映画!

しかもラストで号泣確実な作品です!

人として死ぬか、ゾンビとして死ぬか……。

娘を思う父親の気持ちと、自身の変化に絶望していく娘の気持ち……。

色々と考えさせられるゾンビ映画です。

作品詳細


原 題:Maggie
監 督:ヘンリー・ホブソン
キャスト:アーノルド・シュワルツェネッガー/アビゲイル・ブレスリン/ジョエリー・リチャードソン/ダグラス・M・グリフィン/ J・D・エヴァーモア/レイチェル・ホイットマン・グローヴスほか
公開日:2016年2月6日
上映時間:95分

ストーリー

近未来、世界中に腐歩病という感染するとゾンビ化してしまう伝染病が発生し、腐歩病の治療法は見つかっていないという絶望的な状況。

ある日、田舎暮らしをしていたマギーは、外出禁止令が出ているにも関わらず家族に内緒で都会に行き、そこで感染者に腕をかまれ腐歩病に感染してしまいます。

行方不明の娘が見つかるものの感染していた

マギーがいなくなって2週間、娘を探し続けていた父親ウェイド(シュワちゃん)はマギーが収容されたことを聞き、車で隔離所になっている病院に向かいます。

本来なら感染者が自宅に戻ることは許されないことでしたが、ヴァーン医師の意向によって、マギーに「変転」と呼ばれるゾンビへと変貌する兆候が見られたらすぐに収容することを条件に、帰宅を許されていたのでした。

自宅に帰るも家族はバラバラに…

マギーの母親は幼い頃に亡くなっていて、義母のキャロラインと幼い異母兄弟が家にいましたが、マギーが戻ることになったからか幼い兄弟は叔母の家へと預けられます。

マギーに残された時間を大切に過ごしたいと思っていたウエイドとキャロライン。しかし最終的な結果がわかっているために複雑な感情でマギーに接し、マギーもまた自分が最終的にどうなってしまうのか理解しているために、ふさぎ込み部屋に籠ってしまい……。

予告動画

感 想

シュワちゃんが戦わないというだけで個人的に一体なんだ?と思って序盤観ていました。ゾンビは出てくるものの実際に対峙するのは娘のマギー以外では、序盤にマギーを家に連れて帰る途中で出会うのと、ご近所さん親子のみ。

ゾンビとなったご近所さんはウェイド(シュワちゃん)によって退治されます。それ以外は学会の発表の時くらいしかゾンビが出てきませんので、ホラーものとかゾンビもの苦手な人も観やすいと思います。

家族愛について問いかけている作品

「あのシュワちゃんが戦わないなんて!」と思う人も多いでしょうが、この作品ゾンビとなっていく娘と、その父親の苦悩を描いている作品で、ただのホラー映画というよりは親子愛についてとても強いメッセージを送っているんだと思いますが、ラストで親のエゴも強いなと思ったり。

また視点を変えれば、ゾンビになっていくことへの恐怖と、ゾンビになって家族や友人を襲いたくない、というマギーの苦悩を描いているとも取れます。

しかし久々に見たシュワちゃんが、意外にも老けすぎてびっくりしましたが、年齢を考えると年相応なんですよね。

血のつながりのない人間は冷たい?

マギーの母親は彼女が幼い頃に亡くなっており、作品に登場する母親キャロラインは後妻になります。序盤に幼い兄妹2人は叔母の家に避難しますが、これは幼い子供はゾンビから自分の身を守れないから、実の兄妹でもそうするでしょう。

でも「血がつながっていない」ということを知っていると、自分がお腹を痛めて産んだ子ども、マギーに殺されたらたまったもんじゃない、っていう母親の気持もあったのかな。

ウェイドは先妻であるマギーの母親との約束もあり、何があってもマギーを最後まで守ろうという強い意思を持っていましたが、ウェイドとの考え方の違いなどから、キャロラインは結果的に家を出て行ってしまいます。

その後キャロラインがどうなったかは作品中で触れられていませんが、おそらく子どもたちのいる叔母の家に向かったのでしょう。しかし……生きて叔母の家にいけたのかは謎です。

結局キャロラインは今まで実の娘と思ってマギーを自分の産んだ子供と分け隔てなく育てていた”つもり”だったんだろうなと。自分がお腹を痛めて生んだ子ではないので、自分の子どもを優先するのは仕方ないとは思えますが、これはこれで悲しい話。

実父のウェイドは最後までマギーと一緒で、父親の苦悩もしっかりと読みとれました。

人として死ぬか、ゾンビとして死ぬか

ウェイドがマギーを診察していた医師に施設に入れるか、自分で殺すか、薬で最後まで人として死なせるかを迫られるシーンがあります。

ウィルスに侵された人を収容する施設(病院)はあるものの、そこでは人として扱われることがないことを知っているため、ウェイドはそれは即却下します。

親としてはどんな姿になっても子どもは子ども、人として扱われない場所に送るなんて、と考えるのは当然ですよね。

しかし薬で症状を遅らせることも、人として生きてる間に殺すことも選択しないあたり、もしかしたらどうしたらよいのか、ウェイド自身も考えあぐねていたのでしょう。

どうあがいても結果がわかっていただけに、その場で選択することはできなかったんでしょうね。

まぁ、私の家族が感染者だったら……。

冷たいと思うかもだけど、たぶん人間でいるうちにサックリ……なパターンかな。

人として死ぬことを望んだマギー

ゾンビとなってしまう病原菌に感染すると治療法がないため、最終的にどうなるかは嫌というほど分かっているマギー。

自分がもしマギーの立場だったら?

そう思うとマギーの「大切な人を傷つける前に人として死にたい」という気持ち、そして最後の選択も、痛いほどわかるのではないでしょうか。

後味悪すぎる?

やー……あまりにマギーが不憫すぎて、ラストで号泣しました。

まさかホラー映画、しかもゾンビもので泣くことになるとは……。

せめて、まだウェイドがマギーを苦しみから解放してくれたほうがすっきりしたような気がする、そんな作品でした。

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